中古靴、それも実物を見ずにネットで買うことにリスクを感じている人は多くいると思います。
かく言う私もそうでした。
と、いきなりですが、今回は中古革靴と靴磨きについて…
私のまわりでも、好んで中古を購入する人はほとんどいません。鏡面含む靴磨きも同様に。
そこで、どうにかして信者(?)を増やしたいと思い、この記事を書くに至りました。中古靴、そんなに怖くないんだよ?怖さを乗り越えたら、むしろ前より楽しいですよ?といった具合です。
足に合うのだろうか?という不安
これですよね?これは私含め、革靴を履く方々にとって大きな問題です。

ネットだとサイズ感が分からないだとか、ラストが合うのか?だとか、言い出せばキリがありませんよね。
これに対して私が思うことはというと…新品靴であっても、店舗で事前に試着しても歩いてみないと分からない!そして、1日2日歩いてみたところで、合うかどうかも分からない!です。こればっかりはしょうがないです。。。
いくら周到な準備ができても、履いてみて分かることがたくさんある…それが革靴。
以前エドワードグリーンの革靴を紹介した際に、試着した話を少ししましたが、、、足を入れるだけでは分からないんです。ちゃんと歩いてみないことには。しかし、試着する革靴に履き皺をつけるわけにはいかない(と、私は思ってます)。足入れだけして、これはいい!と思っても、歩いてみるとあちこち痛いなんてこと、ままあります。

こうなってくると、新品だろうが中古だろうが足に合わないリスクは変わらない、と開き直るしかないですよね?
余談ですがこのような経験が、たくさんのブランドのいろんな靴(ラスト)を経験してみたい!という私のポリシーにも繋がってます。履いてみなきゃ分からないっていうチャレンジ精神。
もはや、経験しなきゃいけない!という使命感?だから「同じブランドの靴は2足まで!」なんです笑
たかだか数足履いただけで「俺の足にはこの靴が合う、このブランドが最高!」と思っている人ほど、合ってない革靴を履いているのかもしれませんよ?
また言い過ぎました…
といったところで、足に合うのか?との不安を解消できたわけではありませんが、ネットで買うのも、お店で直接買うのも、私にとってそんなに変わりない、ということです。
中古靴が無理…という拒否反応
学生時代に古着をかじったことはありますが、靴はちょっと…それも革靴となれば、なんとなく不衛生な印象を持っていました。この不衛生問題に対して…
私の場合、入念に消毒します。普通ですね笑。今では貴重となってしまったアルコール消毒液ですが、私はコレを使っています。

早く履きたいというハヤる気持ちを抑え、脱脂綿に湿らせて、ピンセットでインソール奥まで入念に消毒
これは中古靴を購入してから最初にする儀式みたいなものです。中には汚れていたりもありますので…
最初の1回目は、なるべく結果を見ないようにして、そのままゴミ箱にポイするのがオススメです。
やっぱり汚かった…こんなに!?と、無駄に落ち込むのはやめましょう笑
乾いたらもう1度、で終わり
このルーティンを始めて以降は、古着を着るよりもマシなんじゃないか?といった気持ちに変わってきました。古着は消毒できない、という謎理論
こうしてリスクを乗り越えた先に・・・
足に合うのか問題、衛生面の問題の次は、品質面の問題ですよね。
もちろん無視できません。中古靴が安いからと買うのは分かりますが、このブランドなら…や、コードヴァンなら…的な考えだけの思いつきで購入するのは、やはりオススメできません。
※幾度となく、私もこれで失敗しました。
かといって、目利きだなんて大袈裟なことも言うつもりはありません。情報量が少ないときは商品について検索したりはしますが、それでも全て分かるものではありません。何より革靴に個体差はつきものですしね。
ただ、、、メンテが行き届いていない商品に手をだしてしまうと、きっと致命的なことになりますよね?革靴なら特に…
私が購入時に気にしているのは、革の艶。ちゃんと手入れが行き届いているか、です。写真の撮り方、照明の具合、いろいろな要素があると思いますが、傷自体はあまり気にしません。丁寧な方ほど、ここに傷がありますというふうに解説してくれてますしね。
それに、場所にもよるけど傷はなんとかなる!というのが、私の持論です。
中古靴購入のリスクを乗り越えた最後の要因
それは、自分の靴磨き技術の向上(!?)でした。
プロの方もたくさんおられますし、ノンプロでも上手な方はたくさんおられます。私の方が上手だ!などと言いたいわけではありません笑
インスタやTwitterで拝見する限り、自慢するほど私が上手ではないのも自覚しています。
あえて言うなら…靴磨きの趣味を5年ほど続けてきて、中古靴の傷には負けないくらいの技術を身に付けた!くらいでしょうか。
そこで、購入時は新品でしたが、15年以上履いている古参の靴で試してみます。選んだのは、たぶん一番ボロボロだから…っていう理由です。
実践あるのみ!
以前紹介したクロケットアンドジョーンズのBLENHEIMで実践してみることにします

この靴のトゥ部分、たいていは鏡面にしていますが、ハイシャインクリーナー(きつめのやつ)で落とすとこんなことになってしまいます。

悲惨ですね。塗布していたクリームはもちろん、もとの塗料もほとんど落ちています。さすがにこの状態で売りに出ている商品はないでしょう。
しかし、たいていの色落ちにはクリームのみで対処できます。要はスレ系の傷はこわくないということです。アッパーのスレでお安くしていただいている商品、狙い目ですね笑

サフィールのクレム1925も補色に最適ですが、今回は分かりやすく?Brift Hのバーガンディで、少し赤みをつけてみました。いつもはクレム1925のダークブラウンでメンテしています。自然ときれいになった感はありますよね。
とはいえ、トゥの傷が消えるわけではありません

もう少しひどい傷、切り傷に近いトゥの傷たち。この手の傷の場合は、トゥ等の鏡面磨きができる部位に限られますが、ある程度なんとかなります。いや、なんとかなってると思ってます笑
ワックスで鏡面磨きをすると、さらにこんな感じに。


履き皺のクラックや、鏡面磨きしない部位の切り傷はどうにもならないのですが、トゥなら問題ない!と思っていいでしょうか?どうですかね?
※ワックスのベースはBrift Hのナチュラル、仕上げはサフィールのバーガンディにしています。
というわけで…
いつからか私は、中古靴どころか、その中でもお買い得な傷モノ?を探すようになってしまいました。
ソールがこれだけ残ってて、アッパーの傷がこの程度ならイケる!みたいな感じに。
失敗しても諦めがつき(やすい?)ですし、経済的なのはもちろん、靴のお手入れや鏡面磨きに関する技術も向上していく?気がして、一挙両得?一石二鳥?のようにも感じています。
それと……
夢中でブラッシングしたりワックスで鏡面磨きをするのはこの時期の「ステイホーム」にぴったりなのかもしれませんね!
プロ並みとはいかなくとも、靴磨きはとても有意義で楽しい時間になっています。
仕事が落ち着けば、靴作りとの両立もできるのですが、この時期大変ありがたいことにまだまだ忙しくなりそうでして…
いつまで靴作りを中断せざるを得ないのか、未だ出口が見えません。少しでも早く日常に戻れますように。一刻も早く、皆さんが日常が取り戻せますように。
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